TOPフォトレポート当事者研究全国交流集会 in 福島

当事者研究全国交流集会 in 福島

今回のフォトレポートは、10月に行われた当事者研究全国交流集会の模様をお伝えします。
当事者研究全国交流集会は、いままで『べてるまつり』と一緒に行われてきました。しかし昨年の東北震災を受け、東北の当事者に活力をということで、今年は福島での開催することになりました。雄大な磐梯山近くの磐梯熱海温泉が開催地です。
ファーブラからはなんと3人の研究者がエントリー。
群馬伊勢崎発の当事者研究を、福島から全国へ発信します。

 
研究発表者は総勢21人、北は北海道から九州まで…。
研究テーマもじつにバラエティーにとんでいます。
いくつかご紹介しますと、
『嫌われ幻聴さんとの付き合い方』
『過去依存からの脱却の研究』
『大量服薬、リストカットの研究』
『「かまってほしい」統合失調症のメカニズムに関する研究』
などです。
まさに全国から「苦労のスペシャリスト」が集合した歴史的祭典といえそうです(笑)ちなみに当事者研究の父、向谷地生良さんは途中からの参加となりました


  全発表者の中で、1番はじめの発表者が我らが佐藤さん。
話を始める前は、緊張した表情でした。
テーマは『落ちていく生き方』です。
佐藤さんは『巨人の星』の星家のような家庭で育ちました。「弱さ矯正ギブス」をつけられて、自分の弱さを出すことができず、強がって生き、いろいろな所を転々としてきました。
そんな佐藤さんが研究の結果見えてきたのは、自分自身の「器」の小ささです。つまり『落ちてい生き方』とは、「小さい器を大きく見せようと全力疾走してきた歴史」と言い換えることもできるかもしれません。
私も、「ありのままの自分」よりも自分を大きく見せようとして苦労することが多いので、大変共感しました。

2番手は関口さん。
テーマは『黒ハムさんの』研究
関口さんはお客さんの専門家です。
これまで5〜6年お客さん一筋に研究してきました。
今回はお客さんに『黒ハムさん』という名前をつけてキャラクター化しました。
『黒ハムさん』とキャラクター化すると、外在化が容易になり、不思議と自分とお客さんの距離がとれるようになるそうです。
デイケアに来た当初、引きこもることが多く苦労していた関口さんは、今ではピアリンクの中心メンバーとして活躍し、苦労しながら仲間と繋がっています。

  3番手はみほさん。
テーマは『自閉と過眠の研究』です。
みほさんの苦労は過眠(寝過ぎてしまう)で、遅刻の苦労なえどは数えきれないそうです。
今回の研究の面白いところは、過眠と自閉の二つの現象の関連性を発見したところで、人と繋がることの困難さが過眠につながっているということです。
人との関係性が徐々に良くなってきたみほさんの過眠が、今後どうなっていくのか本当に楽しみです。
夜は懇親会が開かれました。
まずはべてるの方々のオンステージ!
最近のべてるでは音楽活動が盛んです。
曲は伝統の替え歌メドレー。
『べてるのズンドコ節』は本当に名曲ですね(笑)
歌詞は
「いいじゃありませんか精神病
 神からもらった宝物
 普通の人とは違っても
 みんな立派な病気持ち
 ズンズンズンドコ(べてる)!」
という感じです。
ちなみにべてるに行くと、もれなく歓迎の歌として披露してもらえます。
  食事をしながらのひと時です。
病気になると社会との繋がりが途切れてしまったり、引きこもりがちになったり…でもみんな本心では繋がりを求めています。
今回もみんな順調に対人緊張やマイナスのお客さんの苦労がありました。そんな苦労がありつつも、それを研究テーマにしたり、苦労賞で仲間と分かち合う。つまり、私たちは苦労があるからこそ(苦労があるおかげで)人と繋がれるという側面があるのかもしれません。
 

べてるの高松さんと関口さん。
関口さんは昨年べてる留学を果たし、べてるの仲間と久々の再開です。
最近ファーブラから毎年のようにべてる留学やべてる祭りの参加する人がいて、べてるの方々からは「また(ファーブラ)が来たのか」と言われているらしいです(笑)本でべてるの当事者研究に触れることはできますが、やはり実際に行って文化に肌で触れあわないと分からない事がたくさんあります。
今後もべてるのすばらしい文化を輸入して、新たなファーブラ文化を育んでいけたら良いですね。

今回の発表者の中から、2名が『智恵子賞』に選ばれました。
ちなみに、高村光太郎の妻、智恵子は、統合失調症の当事者だったそうです。そういう意味では、智恵子の活動は当事者活動のパイオニアと言い換えることができるかもしれません。
なんとファーブラのみほさんが最多得票で受賞!
『自閉と寝起きの研究』を通じて、全国の研究者と繋がることができました。今後も自閉と過眠は順調に続くと思いますが、みほさんらしい人生を生きていただきたいものです。
べてるの向谷地生良さん、伊藤さん、本田さんたちと記念撮影です。
当事者研究の素晴らしさは、研究して対処が上手になることにもありますが、さらに素晴らしいの研究を通じて仲間が増えることです。
病気のおかげで「ありのままの自分」と出会う。
「ありのままの自分」で人と繋がる。
今回もいろいろな人と出会い、繋がることのできた、問題だらけで素晴らしい2日間でした。
 
 

Copyright 2010 KEZOUJI CLINIC