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 群馬県精神保健福祉士会 定例会 講演

今回のフォトレポートは、2014年2月14日に行われた群馬県精神保健福祉士会の定例会での講演の様子をお伝えします。群馬県精神保健福祉士会では定期的に学習会を開催されているそうです。今回は、当事者研究の紹介と実践というテーマの依頼を受けて、お話させていただきました。

デイケア・ファーブラのメンバー達に協力してもらい、当事者研究活動の紹介と、研究をして自分たちがどう変わってきたかを伝えてもらいました。また、支援者の方にも当事者研究を体験してもらうため、自己病名をつけるワークを行いました。

 

■活動の紹介

 はじめに、ふだんのミーティングと同じように、メンバー達に一人ずつ名前と気分体調を話してもらいました。講演会に何度も参加しているメンバー達でも、初めて会う人達の前では緊張しがちです。けれども、いつものように今の自分の状態を語って、それを聞いてもらうことで、すこし安心して話すことができるようです。

 当事者研究の進め方や用語、活動の様子も、メンバー達に説明してもらいます。当事者研究の場で司会や板書を務めたり、これまでも講演会で説明をしてきた経験豊富なメンバーなので、自分の思いや体験を交えながら話をしてくれます。

 それから、メンバーひとりひとりに、自分の「自己病名」を紹介してもらいました。医学的な病名では表しきれない、その人それぞれの悩みや苦労が伝わるため、講演会ではいつも関心を持って聞いていただいています。

 「理由追求囚われ型 見栄はり症候群 相談できない病」という自己病名を持つメンバーさんは、「これをする意味があるのだろうか?」「自分は役に立っているのだろうか、必要とされているのだろうか?」という考えに囚われがちで、それを表に出すことができず、なかなか相談できないという大変な苦労があるそうです。そんな苦労にどう対処してきたのか、この“病気”とどう付き合っているのかという貴重な体験を、自らの言葉で語ってもらいました。

■研究発表

今回は、あるメンバーさんに「幻聴さん達とのつきあい方の研究」というテーマで、10分ほどの研究発表をお願いしました。

何十人もの幻聴さん達とともに生活をしていて、その中には自分の面倒を見てくれる幻聴さんがいます。「コーディネーターさん」はその日の服装を選んでくれたり、「小姑さん」は姿勢よく座るように指摘してくれます。面倒見のよい幻聴さん達がどうして来るのか、幻聴さんに直接聞いてみたところ、「祖母や父に怒られないように」助けに来てくれていることが分かりました。

幻聴さんとのやりとりを重ねながら、幻聴さんとの付き合い方の研究をしてきました。幻聴さんがかまってほしくて寝かせてくれない時は、お菓子を出してあげると効果があることが分かりました。そして最後に、幻聴さんからのメッセージを代弁して、「幻聴さんのことを怖いものと思ってほしくない、分かってもらって、笑ってもらえるとうれしい」と伝えていました。

また、当事者研究をしてどう変わってきたのか聞いてみたいというご意見をいただいていたので、それについてもメンバー達に話してもらいました。

「自分のことが客観的に見られるようになった」
「ちょっとだけ、他人とつきあうのが楽になった」
「反省しすぎなくなった、自分が頑張っているところにも目を向けられるようになった」

当事者研究を通じて仲間との語り合いを重ねてきたメンバー達は、人とのつながりを取り戻したり、自分のことを認められるようになってきているようでした。

■自己病名をつける

当事者研究を体験するワークとして、今回は参加者の方々にも自己病名をつけてみてもらいました。わたしたちはだれもが苦労の主人公であり、自分の苦労を表現する「自己病名」をつけることができます。

ある方からは、「他人に任せられないで自分でやったほうが早いと思っている系 自意識過剰型 自分が最高病」という自己病名を紹介していただきました。この“病気”をお持ちですとどんな苦労がありますか?と伺うと、「自分の仕事がどんどん増えてしまう」ということでした。

自己病名をつけることで、自然とユーモアをもちながら弱さの情報公開をすることができます。今回も、自己病名を紹介するたびにその場に笑いが生まれていました。

普段の当事者研究の場でも、自分の抱えている苦労を表現することで、仲間から共感という大きな力を受け取ることができると感じています。そしてそれは自らが苦労を引き受けていくための力になり、自分らしい生き方を作り出していくことに繋がっていると思っています。

今後も、メンバー達に協力してもらいながら、当事者自身の声を伝えていければと思います。学習会に参加された皆さま、それから貴重な体験を語ってくれたメンバーの皆さん、ありがとうございました。

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