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淑徳大学 講演会 フォトレポート


ファーブラでは当事者活動の一環として、講演活動をしています。先日は千葉の淑徳大学看護学科にお呼びいただき、講演してきました。今回はその模様をお届けしたいと思います。

テーマ 当事者主体の支援って何だろう?


 今回のテーマは「当事者主体の支援って何だろう」でした。当事者主体とは「自分のことは自分で決める」「自分のニーズは自分で決める」ということです。精神科医療では長い間この当たり前のことがないがしろにされ、支援者や家族が主体となってきました。「講演ではなぜ当事者主体の支援が必要か?」、「当事者主体の支援の立ち位置は?」など学生さん達と一緒に考えていきました。

 当事者主体の支援は、パターナリズムへの批判から始まりました。パターナリズムとは、医療・専門家が「あなたに必要なものは私たちが知っている」という態度で本人の行動を保護・干渉することです。これに対し当事者研究は当事者が苦労の主人公になり、仲間と繋がりながら自分自身を助け、励ますことを大切にします。
 当事者主体のメリットはたくさんあると思いますが、私が考える最大のメリットは「自己効力感」が高まることです。保護・干渉されることは一見楽に見えますが、当事者としては「自分のことも自分で決められないダメな人間」という自己否定感が残ります。これに対し、当事者が主体になり、人生の選択をしていくということは、生きている実感も得られますし、自分を信じられるようになります。だから当事者主体の支援が大切なのだと思います。

金欠の理由1 買い物
 私たちの講演会では、はじめの自己紹介で必ず自己病名を話します。自己病名とは医師がつける病名(診断名)とは異なり、自分の苦労を表した病名です。例えば今回初参加のMさんの自己病名は「金銭苦労型 浪費家生活病」です。
Mさんはお金を使い過ぎてしまい、月末になるといつもお金がなくなってしまいます。それで叱られて、自信をなくしてきました。しかし研究してみると、隣人の生活音を被害的に感じてしまい、家の居心地が悪くなってしまうため、仕方なく買い物に行っていることが分かってきました。今はデイケアなどを利用し、お金を使わない居場所をつくることを目標にしています。支援者主体の支援では、Mさんは「金銭管理ができないダメな人」というふうになってしまうかもしれませんが、当事者主体の支援では「被害的なお客さんの苦労があり、安心できる居場所を求めている人」になります。支援者の持つ視点が変わると、当事者の本当のニーズと出会うことができます。

当事者主体の支援の姿勢・立ち位置は?

 後半は支援の姿勢・立ち位置について身体を使って表現していきました。支援の現場では支援の姿勢・立ち位置が共有されていることが少なく、ゆえに軋轢を生むことも少なくありません。今回はあえて視覚的に分かりやすく共有するために、身体で表現していただきました。

 左の写真はある学生さん(女性)がイメージした当事者主体の立ち位置・姿勢です。当事者の横に立って腕に手をおいています。理由は当事者の横に立って、共にということをイメージしたとのこと。
 若い女性と腕を組んだSさん(男性)のうれしそうな顔が印象的です(笑)。

 当事者研究がモデルとするのは視覚障害者の方のガイド方法です。行き先は当事者が決め、歩くのもご本人です。支援者はご本人の希望に沿って支援をし、歩くペースも当事者が決めます。支援者は当事者の希望に沿って、必要な時に必要なだけ支援します。


 

 今回初めて淑徳大学にお邪魔しましたが、大変有意義な時間を過ごすことができました。
 1人1人は弱さを抱えつつも、お互いが助け合い、絶妙のチームワークで見事にやりきったメンバーさん達。今回初参加で莫大な不安を持ちつつ、勇気をふりしぼり果敢に講演会チャレンジしたMさん。私たちの「弱さ」に価値を見出し、わざわざ千葉までお呼びいただいた先生方。また支援者の卵で希望に満ちた学生さん達。それぞれが考え、表現する素晴らしい「繋がり」の場となりました。本当にありがとうございました。
(編集 PSW 柳春海)

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